2日間の職人のイベント『Krafka #01』が終わった。

思い起こせば今年の3月、
木工職人の賀來さんから「職人」の後継者不足を食い止めるような活動をしないかと連絡があり
集まったのがきっかけだった。

CREA/Meも職人も含むクリエイターを支援していく活動をしていることと
自分自身もジュエリーの作り手としての立場もあり声をかけてくれたのだろう。

自分の領域であるジュエリーの業界でも「原型師」と呼べた職人の仕事はCADの影響もあり激減し、
職人の高齢化も進み、次の時代に受け継いでいく人材もいなくなってきているのが現状。
その背景の一つにはもちろん少子化による人口減少の問題もある。
どの分野でもその打開策として外国人労働者を募集し「職人」の仕事に就くこともあるが、
2、3年すると自国に帰ってしまい後継者とまでにはならないという話も聞く。

これから減少していく若い世代の中から、
どうすれば「ニッポンの職人」を受け継ごうという人材を生み出していけるか。

話し合いはそこから始まった。

手作りのものはなくなりはしないが、時代として仕事は淘汰されていく。
その流れに任せるならば「職人」を増やすことなどしなくてもいいのではないか。
今の職人ももしかしたらそれは求めていないかもしれない。
子供達ももっと”カッコいい仕事”に就きたいはず。
いや待て。
「職人」カッコよくないか?
知らないだけ目にすることがないだけじゃないのか。

普段は目にすることのない「職人」の姿を見せる。
普段は完成品しか見られない「職人技」を見せる。
その姿をみてカッコいいと感じてもらう場を作ろう。

展示するのは職人が作った完成品ではなく「職人」。

方向は決まった。

そこから月一のペースで話し合いの場は設けられた。
会場も早い段階で、当時まだ工事中だった堺の「71labo」に決めていた。
職人の姿を仕事場に近い状態で、しかも十数名の職人を一堂に会するには
他にないベストなスペースだった。
しかし、肝心の出演する「職人」のオファーがなかなか進まず、
開催まで1ヶ月を切る段階でも最終的な出展者が決まっていなかった。
ただでさえ年末に向かって仕事が立て込んできている分野もあり困難を極めた。
それに加え初開催のイベントということもあり、
まずは様子見的な感じで断られることも多々あった。
結果、ギリギリまでオファーし続けてやっと開催に見合う人数を集めることができた。
そして開催まであと9日の11月22日、開催前最後のミーティング。
開始前にはただならぬ空気が漂っていた。
開催のイメージがまだ見えない。。。
不安だけが頭をよぎる。
「開催延期」
言葉には出さないがそれぞれが頭の隅には置いていた最後の手段。
しかし、ひとつずつ問題となっている箇所をクリアにしていった結果、
3時間弱のミーティングが終わる頃には全員のイメージがひとつとなり
その日からの準備はさすが「職人集団」と言えるような濃さで進んでいった。

そして12月1日、開催当日。
出展者それぞれが自分の「仕事場」を会場に設置。
広く抜けていた会場に「職人の家」がひとつずつ出来上がっていった。
金属職人
彫金職人
表具師
ギター職人
木工職人
友禅染職人
文字職人
靴職人
おりん職人
活版印刷工
うどん職人
『Krafka #01』の職人11名が揃った。

1日目は「職人技」をより魅せるために夜の開催。
電球色の決して明るいとは言えない会場。
それが逆に職人たちの作業から「光」「音」「匂い」が生まれ、
それぞれの「職人」を浮かび上がらせた。
そして展示会や展覧会など数回企画してきた自分も経験したことのない空気に包まれ始めた。
来場者は作業に専念している強面の「職人たち」を少し遠目で見ながら
サーっと会場を回るのが普通だろうが、その時はそれが違っていた。
作業をしながらも双方から話しかけ、質問に答えたり工程を説明したり。
お酒や料理も楽しみながら、会場全体に希望と言える「笑顔」が溢れていた。
職人気質の寡黙なイメージも、ライブ会場のミュージシャンのようになっていた。

2日目は子供達にも「体験」してもらうために日中に開催。
普段は完成品しか見ることがないモノの工程を体験してもらった。
日常よく目にするモノが実はこうやってできているのかと知ってもらい、
その工程の一つを体験してもらおうと。
使い方によっては危険な工程をあえて体験してもらい「自分もできるんや」っていうところを
体感してもらいたいと。
女性客の方が意外と体験してくれることが多かった。
これも時代で、今のクリエイターも女性が多いことに通じる。
でも、やはり子供達に体験してもらうことが大きな目的のひとつでもあった。
僕のところにきてくれた男の子は最初バーナーの火を見るだけで後ずさりしていた。
でも、バーナーを自分で持って使い方の安全を確認すると平気になっていた。
簡単なことだけど「実体験してみる」は、今の子供達にはめっちゃ大事なこと。

危険だからやらせないは本当の「育て方」じゃない。

溶接だってちゃんと防備すれば数十センチの近さで見ることができる。
ノコギリも力の入れ具合や安定のさせ方で、女の子でも丸太を切断させることだってできる。
しかも切れた時の達成感や木の匂いはきっと忘れないだろう。
今の子供達はモノがどうやってここにあるのか知らない。
野菜や果物さえどうやってできるのかも。

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この『Krafka』は続けないと意味がない。
第1回も終わるまで何が見えるかわからなかった。
やったおかげで見えてきたものが多くある。
それを修正しながら第2回に向けて進めていきたい。

折しも大阪万博の開催が決まった。
2015年までは多くの企業からの依頼もあり「職人」の仕事はさらに増えるだろう。
でも、企業はその開催までしか見ていない。そこがゴール。
万博後の職人の仕事、その先の後継者の問題。
『Krafka』はその足元をしっかり見て活動を広めていきたい。

今回の開催につき、協力してくださったみなさま。
出展してくださった職人のみなさま。
そして何よりご来場してくださったみなさまに深く感謝いたします。
今回見逃してしまったみなさま。第2回をご期待ください。
また、参加してみたいという職人のみなさまも大歓迎です。
info@creame-dep.comまでご連絡ください。
みんなで「ニッポンの職人」を守っていきましょう!!!