今年はじまって以来、鼻炎というものが延々とつづき「人生一切苦」と言ったお釈迦様の心境が少しわかりはじめた今日この頃。いかがおすごしでしょうか、藤原です。今日はそんな苦が押し寄せる中、最近感じた「評価すること、されること」や「審査すること、されること」について少し持論を書いてみたいと思います。あくまで持論なので極論に思えるかもしれませんが、それもまたよしということでご笑覧いただけたら幸いです。

先日2015年から大阪で開催されているFM802主催の「UNKNOWN ASIA」というアートイベントに、評価・審査するレビュアーとしてCREA/Meメンバーと共に参加させていただきました。200を超えるアーティスト・クリエイター・フォトグラファーらが出展しているイベントで見ていくだけでも大変。本当であれば、1人1人と作品について、活動についてしっかり話をしていくものだと思いますが、正直そこまでやれなかったのが本音で、また見落としや友人のブースに気を取られて軽くスルーしてしまったものも多々あったかと思います。

審査することや評価することは、人の人生を左右するくらい実は責任深いことだと感じています。その人が費やした最も尊い時間を一瞬の時間で切り取って評価するなんざ、青山二郎さんか白州正子さんくらいの審美眼がないとできないことだと思ってます。なので、僕の見方(観じ方)は、徹底して個人の好みに立脚した「人作一体」という主観に基づいたものになります。ひらたくいうと「その人の人柄からにじみでた作品かどうか」そして僕個人として「その人と友達になりたいか」「その作品をお金をだして欲しいと思えるか」がベースになって評価させていただきました。

先日亡くなられた大好きだった女優の樹木希林さんもこんなことを言ってます「それはその人から見て、美しければ美しく、醜ければ醜いし。だってあんなに顔を引っ張ってしわを伸ばしたって、その人は「美しい」と思ってやっているけど、「変なの」って思う人もいるし。すべてそうじゃないですか」ほんとその通りだと思います。いわゆるその人の「好み」「センス」そういうものでしかないと僕は思いますし、そもそも評価する側もされる側も実はそんなに大差ないよって声を大にしていいたいです。

その上で、今回CREA/Me賞に選ばせてもらったのは、Nylonで木村カエラともコラボしていたTAKASAOくん

白を赤を基本としたあまり色を使わないコラージュで、海外に行ってもきっと日本を観じさせる事ができる人だと思いましたし、何より躍動感のある構図で彼のコラージュを見たときに、バッと未来の情景が映像で頭に浮かびました。これから様々な企業とコラボレーションしていける人であり作品であると感じました。惜しむらくは展示の仕方で、もう少し作品に強弱をつけた方がよかったし、ブース自体が白と赤、もしくは黒と白を強調させてもよかったな〜と思います。

彼の他にも5位までを選出させていただき、それらも上記の基準プラス「海外にでても太刀打ちできるものであるか(外国の真似や単純なアート作品ではないもの)」「本人のこれが相当好きがにじみ出ているかどうか」という目線で選ばせていただきました。

どの作品も本当に素晴らしいものでしたが、個人的にはやはりそれが「人」の感情に訴えかけ、人を介するものである以上「伝える」「魅せる」ということに、もっともっと貪欲にこだわってもいいのかなという気がしました。人を突き放す作品や、伝えることを放棄し「感じてくれたら」というのは、きっと「伝える」ということに真剣にむきあった先にあるものではないかと、僕は思います。

でも本当に楽しい1日をすごさせていただきました。大阪にこの「UNKNOWN ASIA」のようなアーティスト・クリエイターにスポットをあてるイベントがあることが本当に嬉しいなと思います。実際に参加させてもらったことで、また自分なりにもやりたいことがでてきました。いつになるかわからないですが、それも実現したいと思います。

あっそうそう、UNKNOWN ASIAの2日目には、LIMITSというデジタルアートバトルが開催され、その中でCREA/MeのU15プロジェクトに参加してくれている「エイトマン」くんと「コタロー」くんが8歳と7歳にもかかわらずペンタブを駆使して実戦のアートバトルを行いました。

昨今「勝ち負けを決めるのはよくない」と言われていますが、僕はそうは思わなくて「勝ちを知る」ことと同じくらい「負けを知る」ことも大切だと思っています。負けた人間って本当は一番強くなります。何よりこういう舞台に挑むチャレンジ精神、やっぱり子供から学ぶことは多いなとあらためて感じさせてもらいました。

何が言いたかったのかというと、その瞬間の評価や審査や勝ち負けが重要なのではなく、これを経て何に気づき、何を学び、何を未来に活かせるのか。なのかなと。それは審査する側される側いつも一緒なのだと思います。明日が、未来が楽しみになるようなそんな事を死ぬまでずっとやっていきたいなと思いました。


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